はじめてのShopify、独自ドメイン、メールアカウントについて

2021.05.06 Category / EC

ドメイン設定

初めてのECサイト、既存システムからのリニューアルに、Shopifyを選ばれる方が多いかと思います。 Shopifyをスタートさせる際、ほとんどのケースで、独自ドメインを使用するのではないでしょうか。 " ****.myshopify.com " というShopifyの初期ドメインを使用することもできますが、言わずもがな独自ドメインを使用したいですよね。Shopifyでの独自ドメインの設定方法、独自ドメインを取得した際のメールアドレスの設定方法について説明していきます。

Shopifyについてはこちら Shopifyとは?

前提条件

  • Shopifyで独自ドメインを使用
  • ユーザーとのやり取りは全て独自ドメインメールを使用

フリーメールを使用して、お客様とやりとりする方法もありますが、もしあなたがオンラインで買い物をしてフリーメールから連絡が来たら怖いですよね... そもそもYahooやAOLなど一部のメールプロバイダーのアドレスはShopifyではメールを送信できません。

独自ドメインを使用するメリット

信頼性

Shopifyの初期ドメイン " .myshopify.com" は無料なのに対して、独自ドメインは料金が発生しますが、一般的な考え方として信頼性が高いと思われます。注意点は、ドメインの種類を安易に選ばないことです。キャンペーンで安いからといって、***.xyz などの信頼性の低いドメインはビジネスに向いていません。(独自ブランディングのためにあえて使用するというのならアリです。)一般的にリスクの高いと思われているドメインはいくつか存在しますが、日本国を表す、 ***.jp は世界一危険度が低いと認識されています。
迷ったら ***.jp を取得しましょう。

独自ドメインのメールが使用できる

ECサイトで販売を行なった際に、フリーメールアドレスで連絡が来るとユーザーは不安になりますよね。独自ドメインを取得した場合、メールアドレスを取得、使用することができます。メールホスティングサービス内容にもよりますが、複数のメールアカウントを取得することができるホスティングサービスがほとんどです。Shopify単独ではメールをホスティングする機能はないため、別契約が必要です。

Shopifyでの独自ドメインの設定方法

ドメイン管理サービスで取得

お名前.comやムームードメイン、その他いくつものドメイン管理サービスがあります。 ドメインを取得している際は、Shopifyにドメインを設定する必要があります。

ルートドメインの場合

Shopify側での設定は、管理画面メニュー、左下の「オンラインストア」→「ドメイン」→ 「既存のドメインを接続する」  と進み、ドメインを入力し進んでいきます。

Shopifyのドメイン設定

上記のようにエラーが出ますが、ここでは気にせず、下記の設定に進みます。

ドメインのDNSを管理しているサービスの管理画面にて、Aレコードと、CNAMEの設定をShopifyに向ける必要があります。ドメインを管理しているサーバー等で設定をご確認ください。
入力する内容の、詳細は下記をご確認ください。

一般的な外部サービスのドメイン設定ガイド https://help.shopify.com/ja/manual/online-store/domains/add-a-domain/using-existing-domains/connecting-domains#part-f98d144068ce7073

設定が正しく行えていれば、Shopifyにて接続完了を確認し、数時間経てばSSLも安定します。

サブドメインの場合

ドメインのDNSを管理しているサービスの管理画面にて、CNAMEの設定をShopifyに向ける必要があります。ドメインを管理しているサーバー等で設定をご確認ください。 その他、設定はルートドメインの場合と同様です。

Shopifyにてドメインを取得

Shopify側での設定は、管理画面メニュー、左下の「オンラインストア」→「ドメイン」→ 「新しいドメインを購入する」と進み、取得可能なドメインを選択して進んでください。支払い情報を設定すれば独自ドメインがShopifyで使用できるようになります。ドメインのAレコードとCNAMEレコードは、Shopifyのデフォルトのドメインレコードに自動的に設定されます。

ドメイン設定、メール設定で最低限必要な知識

独自ドメインを管理する際、下記の知識はマストです。間違えるとドメイン設定が反映されません。 よくある設定ミスは、メールにおけるSPFレコードの設定漏れです。 Shopifyにはメールを受信する機能はありませんが、メールを送信する機能はあります。

しかしながら、例としてメールを管理しているサーバーが別で設定している場合、Shopifyが送信しているメールはなりすましであると捉えられる可能性があります。逆も然り、Shopidyでドメイン取得、別サービスでメール送信の場合です。仕組みを覚えれば難しくありませんが、ホスティングしている会社によって設定方法は異なりますので、注意が必要です。

サブドメイン

サブドメインとは、ルートドメインのプリフィックスとして追加されるルートドメインのサブセットのことです。例えば、URLがhelp.shopify.comでは、shopify.comがルートドメイン、help.がサブドメインになります。サブドメインを使用してウェブサイトを整理し、訪問者が探している情報を見つけやすくできます。スタンダードプラン以上を利用していて、複数の国や地域のお客様に販売する場合、海外ドメインを使用して、対象となるマーケットのある国や地域ごとに地域のサブドメインを設定します。

IPアドレス

IPアドレスは、インターネット上のコンピューターやデバイスの位置を特定し、他のコンピューターやデバイスと識別するための固有の文字列です。IPアドレスは、インターネット上でコンピューターが他のデバイスと通信を行うのに必要です。

DNS

Domain Name System (DNS) はドメイン名のデータベースです。すべてのドメインには独自のDNSエントリーが付いています。Domain Name Systemでは、ユーザーがIPアドレスを覚えていなくてもウェブサイトにアクセスできるよう、ドメイン名を整理し、単語を数値に変換します。例えば、shopify.comのIPアドレスは23.227.38.65です。通常、このプロセスは、バックグラウンドですばやく実行されます。外部サービスのドメインをShopifyストアに接続する場合には、DNS設定の変更が必要な場合があります。

Aレコード

Aレコードは、ドメイン名に関連付けられた特定のIPアドレスがあるかを確認するためのDNS設定です。この場合には、AレコードをShopifyのIPアドレスに指定する必要があります。外部サービスのドメインを使用する場合、ShopifyのIPアドレスは23.227.38.65です。既存のドメインに接続する場合は、AレコードをShopifyのIPアドレスに設定する必要があります。

CNAMEレコード

CNAMEレコードは、サブドメインに別のドメイン名を指定するためのDNS設定です。ここでは、shops.myshopify.comを使用して、CNAMEレコードにShopifyでホストされているドメインを指定する必要があります。

MXレコード

MXレコードは、ドメイン名にメールサーバーを指定するためのDNS設定で、カスタムドメインでメールを処理するために使用されます。MXレコードを1つ以上設定して、バックアップ用メールアドレスを追加することで、メインのメールサーバーが停止した場合でも確実にメールを受信することができます。

TXTレコード

TXTレコードはDNS設定です。TXTレコードには、ドメイン外のサービスで使用される可能性があるテキスト情報が含まれます。例えば、ドメインを所有していることを確認するために外部サービスから提供されたTXTレコードを追加することができます。

SPFレコード

Shopifyでは、Sender Policy Framework (SPF) を使用して、お客様に届く自動通知メールの送信元のメールアドレスを認証しています。ShopifyのSPFレコードは、v=spf1 include:shops.shopify.com ~allです。ShopifyのSPFレコードをメールまたはDNS設定に追加すると、通知メールがスパムとしてフラグ付けされるのを防ぎ、送信者情報からはShopify経由である記述が削除され、送信者フィールドには、store@shopifyemail.comの代わりに送信元のメールアドレスが表示されます。

独自ドメインでのメールアカウントの設定方法

1. 独自ドメインを使用している場合

独自ドメインを取得している場合、通常Webサイトも運用している場合がほとんどではないでしょうか? または、その独自ドメインで別のECサイトを運営しており、乗り換える場合もあるかと思います。 現状、Webサイトを運用している場合はShopifyに全てのコンテンツを移植させず、サブドメインを使用してShopifyを運用することが多いかと思います。その際は、本体のWebサイトのサーバーでメールアカウントを使用できますので、特に問題ありません。

ShopifyのSPFレコードを追加する

ドメインのDNSの管理画面にて、TXTレコードにShopifyのSPFレコードを追加する必要があります。ShopifyのSPFレコードはv=spf1 include:shops.shopify.com ~allを指している必要があります。その他のSPFレコードもあると思いますので、設定には注意が必要です。

参考:同一ドメインに複数のSPFレコードを設定する方法 https://www.naritai.jp/guidance_spf_example.html

Shopifyに全てのコンテンツを移植し、サーバーを解約する場合は注意が必要です。サーバーを解約した時点でメールのアカウントも消えますので、メールのみのプランがある場合は利用するか、別サービスを利用する必要があります。

2. Shopifyでドメインを取得している場合

Shopifyにメールのホスティングサービスはありませんので、何らかのサービスを利用しなければなりません。

メールサービスのMXレコード、SPFレコードの設定

メールサービスと契約した場合、独自度メインが使用できるように、MXレコードを設定する必要があります。また、迷惑メール判定されないように、SPFレコードの設定も必要となります。Shopifyでドメインを管理している場合は、使用するメールサービスに合わせた設定をShopifyの管理画面から行う必要があります。

おすすめのメールホスティングサービス

Shopify以外のサーバーを使用していない場合で、Webaサーバーは必要なく、メールのみ使用したいという場合は下記のサービスがおすすめです。

1. Google Workspace

メールホスティングサービスではありませんが、メール以外のメリットも大きいため、Google Workspaceを選んでおけば間違いありません。料金は、1アカウント680円/月からです。ShopifyとGoogle Workspaceの組み合わせのみで、個人から中小企業まで、まず問題ないのではないでしょうか?

Shopify × Google Workspaceのメリット

  • アカウントは1つでも、同一料金で複数のメールアドレスを運用できる。グループ機能を使用して、info@***や、shop@***などのメールをパスワードを追加することなく、管理できます。
  • PCではChrome、スマートフォンではアプリでメールを使用できるため、メールソフトのややこしい設定が一切不要。つまり、PC、スマホを買い替えても、メール設定は不要。
  • ドライブで商品写真やテキストを一元管理。クラウドなので保管、管理もスマート。
  • Google 広告などの管理も、独自ドメインで可能。メールアドレスを不用意に増やすことなく様々んサービスを管理可能。
  • その他、社内業務もGoogle Workspaceで管理していける。例えば、勤怠管理システムもGoogle フォームやスプレッドシートをカスタマイズして、自社に合わせた内容にするなど。

Google Workspaceについて詳しくはこちら Google Workspaceとは?

2. Zoho Mail

料金は、1ユーザー120円/月から。メールだけで良いという方は、価格も魅力的です。Zoho Mailは、ビジネスシーンでのコミュニケーション・顧客管理ツールとして役立つクラウドメールサービスです。目的に合わせてカスタマイズしたり、アプリをインストールすることでモバイル端末でも利用できるなど、用途に合わせて柔軟な使い方が可能です。

参考:起業ログ Zoho mailについて

3. 各種レンタルサーバー

Webサイトを別サーバーで運用している場合、そのサーバーのメールサービスを使用することができます。別費用がかからず運用できます。おすすめのサーバーはXserverです。レンタルサーバーの国内シェアNo.1、サーバー申し込みでドメインも一つ無料で使用できます。月額は990円からで、Webサイトを立ち上げる必要がある場合は、サポートも含めておすすめです。

SPFレコード、DKIMの設定をお忘れなく

メールのホスティングサービスを開始するためには、サービスに申し込む、ドメインと紐づけるためにMXレコードなどを設定する、という流れで使用開始できます。しかし、SPFレコードやDKIMは設定しなくても、メールは使用できてしまうのです。これらを正しく設定しないと何が問題になるかというと、メールがスパム(迷惑メール)扱いされてしまう可能性があることです。もしくは、Gmailなどで、信頼性の低いメールとアラートが出てきてしまいます。正しく設定して、迷惑メールにならないようにしましょう。

SPFレコード、ShopifyとGoogle Workspaceを使用している場合の例

TXTレコードに入れる


v=spf1 include:shops.shopify.com include:_spf.google.com ~all

まとめ

初回の設定だけですが、意外と複雑なドメイン関係。メールがスパム扱いされないようにするために、内容を把握して設定を行う必要があります。また、メールのセキュリティに関しては、年々新たな技術が出てきて、仕様が変更になる場合もありますので、GoogleやShopifyといった各種サービスからのリリースも、しっかりとチェックしていきましょう。

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