カスタマージャーニーマップとは?目的や作り方について。

2021.04.27 Category / Branding

カスタマージャーニー

ビジネス活動において、顧客の行動や心理、感情を理解できているか、その行動や感情に対応できているかどうかが重要な意味を持ちます。カスタマージャーにと言われる方法は、そんな顧客とビジネスとのクロスポイントを捉え、どのような感情が生まれ、どのように行動するのかをマップ化するものです。

UXデザインやマーケティング線略だけでなく、施策や製品開発にまで使用されるカスタマージャーについて考えてみたいと思います。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、ターゲットの最小単位である人物像、ペルソナを設定し、ペルソナの動き(行動・思考・感情)を時系列で見える化したものです。ペルソナの動きを見える化することで、ビジネスとのタッチポイントを洗い出し、適切な場所・タイミングで適切な活動を行うことができます。

例えば、顧客があるブランドの商品を購入するにあたり、どのようにそのブランドと接点を持って認知し、関心を持ち、購入意欲を喚起されて購入に至ったかという道筋を旅(ジャーニー)に例え、顧客の行動や心理を時系列的に可視化していきます。

カスタマージャーニーを作成するメリット

顧客を深く理解できる

顧客の行動や思考・感情について詳しく分析すること、そしてどのようにビジネスと関わっているかを時系列で明文化することによって、顧客について深く理解することが可能となります。

顧客中心でサービス開発やマーケティングすることができる。

顧客のあらゆる行動を捉えるためには、お客様視点に立ってビジネスを見直すことが重要です。カスタマージャーニーを作ることで、顧客の感情や思考が見えてきます。顧客の行動が見える化することにより、顧客目線で考え、顧客に必要な施策を考えられるようになります。

課題の優先度を明確にできる

カスタマージャーニーマップを作ることで全てのフェーズの課題を洗い出し、それぞれの課題の緊急度・重要性を比較できます。これにより、解決すべき課題の優先度を明確にし、サービス改善のスケジュールを改めて見直すことができます。

カスタマージャーニーマップの作成方法

ペルソナを明確にする

顧客をいくつかのグループに分ける

既存事業であれば、すでに保有している顧客情報(業種や規模、担当者の部署や役職)などから、新規事業であれば、定量・定性調査のデータから、ターゲットとなりそうな顧客をいくつかのグループに分けます。いわゆるセグメンテーションのプロセスです。ターゲットとなりそうな顧客群の中から、ペルソナを作成するグループを決めます。明らかに際立った顧客群がなければ、その中で優先順位をつけ、いくつかのペルソナを作成します。

データを集め、ペルソナを作成する

ユーザーインタビューやユーザー観察、アクセス解析や購買履歴データ、一般に公開されている調査結果などを参照しながら、ペルソナ作成のもとになる情報を集めます。顧客と接することが多い、営業担当者やカスタマーサポート担当者、現場の販売員に話を聞きに行くなど、視点と行動範囲を広げて、洞察の素になる良質な情報を集めましょう。上記のプロセスで集めたデータをまとめ、顧客の行動や性格、属性の傾向を抽出。ペルソナシートを作成します。 社内メンバーで作成する場合、 『ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト』 があると、困った時に参照でき、議論がスムーズに進むので、手元に一冊あると良いかもしれません。 あくまで一つのフォーマットですが、以下のような項目について明文化し、ペルソナシートを完成させましょう。

ペルソナの基本項目

  • 顔写真
  • 名前
  • 年齢
  • 勤務先
  • 職種
  • 居住地
  • 家族構成
  • 年収
  • よく見るメディア
  • ソーシャルメディアの利用状況
  • 等々

ペルソナの実例サンプル

出典: BizMake

スタートとゴールを設定する

時系列のスタートとゴールを設定します。スタートを興味・関心を引くフェーズとし、ゴールについては、購入や契約ではなくリピートや契約継続とすることが一般的です。ビジネスに合わせたスタートとゴールを設定する必要があります。スタート、ゴールによって集める情報、考える施策は大きく変わります。

カスタマージャーニーマップのフレームを設定する

スタートとゴールを決定したら、横軸には時系列の流れを設定します。興味・関心 → 情報収集 → 比較・検討 → 購入 → リピート、といったような流れになります。縦軸には、行動、思考、感情、タッチポイント、調査情報、課題などを設定します。これらはあくまでも一例ですので、ビジネスに合わせたフレームを設定する必要があります。

タッチポイントの洗い出し

フレームがが完成したら情報を洗い出していきます。フェーズごとのタッチポイントを書き出します。タッチポイントは、顧客との接点のことです。たとえば、WEB広告でユーザーが商品を知った場合、「興味・関心」のタッチポイントは「WEB広告」、自社オンラインショップでユーザーが商品を買った場合のタッチポイントは「自社オンラインショップ」です。

行動・思考・感情の洗い出し

顧客のフェーズごとの行動を洗い出します。「店舗で試着する」「店舗で買う」などの購買に関係する行動だけでなく、「SNSで情報を検索する」「友人に相談する」など、想定される具体的な行動を、ユーザー目線で書き出していきます。 そして、具体的な行動に伴う顧客の思考と感情を洗い出します。収集したデータなどを活用して情報を集めましょう。 思考は、「こんな使い方ができるな」「いくらで買えるのかな?」「他に安く売っているところはないかな」などの考えです。 感 情は、喜怒哀楽のことです。「嬉しい」「怒っている」などの表現や表現やイラストで感情の上下を表すと、直感的に把握することができます。

カスタマージャーを完成させる。

洗い出した情報をマップに整理します。マップに書き込んでいったり、付箋で貼り付けていくなど、実際の顧客の立場に立って思考を進めていきます。スタマージャーニーマップを完成させたら、現状の課題を洗い出し、マーケティング施策を検討します。顧客が考える思考にサービスが対応していない部分や、施策でユーザーの感情に反しているポイントがないかなど課題を見つけましょう。課題を元に、具体的な施策を考えていきます。

カスタマージャーニーマップのサンプル

カスタマージャーニーマップ作成のポイント

①顧客の思考と感情を重視する

カスタマージャーニーマップを作成する上で重要なのは、顧客の思考と感情を意識することです。行動は思考・感情をもとに行われますので、ビジネスとの重要なタッチポイントが、どのような課題を持ち、どのような施策を行うのがベストかを導き出すことができます。

②複数のペルソナを用意する

顧客には様々なパターンがあります。ペルソナを複数名作成し、それぞれのペルソナに合わせたマップを作ることが有効です。 ペルソナの設定には可能であれば、実際の顧客インタビューをするなどして、エビデンスのあるペルソナを設定することが重要です。

③カスタマージャーニーの作成ツールを活用する

情報を入力し、マップを自動生成する機能などを備えた作成ツールのほか、ユーザー行動や広告の効果を分析できるツールもあります。手作業では難しい場合やデザインを統一したい場合などに有効です。

カスタマージャーニーマップの作成ツール

BizMake フレームワークサービス

様々なビジネスフレームワークを活用して効率的にアイディア発想・整理できます。 カスタマージャーニー、ペルソナなどに加え、STP分析、4P分析など合計20種のフレームワークが利用できます。 スマホにも対応しており、移動中でもアイディアをフレームワークにまとめることが可能です。

Lucidchart カスタマージャーニーマップツール

Lucidchart は、図の作成、データの視覚化とコラボレーションを組み合わせ、よりよい理解の促進とイノベーションの加速につなげるビジュアルワークスペースです。

Keynoteのテンプレート カスタマージャーニーマップテンプレート | Design Tools

Keynoteは、石川県金沢市にある「15VISION」というUI設計・プロダクト開発を行うデザインユニットが提供しているテンプレートです。「Design Tools」というディレクターやデザイナー向けのツールのコンテンツとして、提供されています。

カスタマージャーニーマップ テンプレート カスタマージャーニーマップ テンプレート|株式会社イノーバ

INNOVAは、「株式会社イノーバ」が提供しているテンプレートです。同社では、オウンドメディアのパッケージサービスを展開しており、これまでに260以上の導入実績を誇るなどしています。テンプレートに関しては、BtoB用、ECサイト用の2パターンがあり、使い方ガイドも用意されています。

まとめ

今回はカスタマージャーニーマップの基礎知識や作り方、カスタマージャーニーマップ作成ツールををご紹介しました。 カスタマージャーニーマップを作成し、顧客の思考と感情を意識することで見えない課題や問題を浮き彫りにすることにもつながります。 様々なビジネスフレームワークがありますが、ビジネスの課題解決にカスタマージャーニーマップが有効活用できれば幸いです。

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